お久しぶりです!原です!

こんにちは!青柳寺にお手伝いに来ております、原裕真です!


久しぶりに登場させていただきました。ご無沙汰しております私事ではございますが、この夏になんと!「修行の先生」を日蓮宗より拝命いたしまして、お勤めをしてまいりました。


今回のブログでは、皆様あまり馴染みがないと思われます「日蓮宗の修行」のことについて少しご紹介させていただきたいと思います。


今回、私が訓育指導を拝命いたしましたのが、「信行道場」という修行の先生でした。


日蓮宗の修行には、いくつか段階がございますが、この「信行道場」は、総本山身延山にて行われる日蓮宗の僧侶となるためには必須の35日間の結界修行で、

日蓮宗の一人前のお坊さんになるための登竜門のような修行です。


勿論、青柳寺のご住職も平成21年度の信行道場で、私も平成27年の信行道場でご修行させていただきました。


結界修行とは、外部との関りを一切遮断し、面会もできず、テレビ・ラジオ・新聞・ケータイ・スマホもない中で行われる修行のこと。


御本尊への給仕を第一として、自らの自由と自我が制限された中で、御本尊、自分自身と向き合い、

日蓮宗の僧侶として一人前になるために必要な総仕上げを行う35日間です。


詳しい修行の内容というのは、口外できませんが、少しだけご紹介させていただきます。


朝は、4時に起床し、すぐに水行(水盤から桶で水を汲んで頭から被る修行)を行い、日蓮聖人の御廟所にお参りし、道場の朝勤(朝のお勤め)を行います。


日中は、お経の練習は勿論のこと、法要の所作や声明(お経に節をつけた仏教音楽)の習礼を徹底的に行い、

夕方の夕勤では、様々な趣旨に合わせた法要の習礼を実践的に行います。


夜には、法華経の一部経読誦といって、法華経の頭から最後まで、全6万9384文字を35日かけてゆっくりと読誦していきます。


ご飯は3食、肉や魚は一切なしの精進料理をいただきます。


勿論、1日も休みはございません…


そんな今回の信行道場は、8月8日から始まり、9月11日に、道場生35名、一人も欠けることなく成満することが叶いました。


私自身、初めての訓育指導という立場で不安が多かったのですが、これまで多くの先生方、先輩、同輩、後輩方から受けてきた御恩を思い返し、

次世代を担う僧侶のたまごたちにその御恩を送っていきたいという思いで臨んだ今回の道場でした。


私は、読経指導を担当し、法華経の一部経読誦の時間では、「聞法歓喜」をテーマに、法華経に出逢えたことの喜びを感じてもらえるように心がけて指導をいたしました。


一部経読誦の最後の時間では、皆が声を張り上げ、歓喜の涙を流しながら、起立し御宝前を向いていく姿は、

あたかも法華経に説かれる地涌の菩薩が地面から涌き出るようで、感動の瞬間でした。


道場生一人ひとりが素直に先生方の指導を聞き、学び、実践し、日々の課業に全力で臨む姿勢は、まさに菩薩の尊形を見ているようでした。


「花は合掌に開けて、春に因らず」という学問の神様、菅原道真の言葉がございます。


花は春が来たから咲くのではなく、手を合わせる心によって花が咲くという意味です。


ここでいう花とは、心の花のこと。


道場生は、辛い時も、苦しい時も、一心に御宝前に手を合わせ、そして、道場生同士が協力し、感謝しあいながら、

互いに敬いの心をもって手を合わせた35日間を通じて、皆の心にそれぞれ綺麗に咲き誇る花を見ることができて、充実した信行道場となりました。


この記事を読んでくださっている皆様も、日々、素直な心でお寺の御宝前やお仏壇に手を合わせ、

そして、周りの人たちにも、敬いや思いやりの心をもって手を合わせていただければ、きっと皆様の心の中にも、

それぞれ綺麗に咲き誇る世界に一つだけの花が咲くに違いありません。


共に生きている周りの人たち、一人ひとりの尊いいのちに合掌。


そういったお心持で日々を穏やかに過ごしていただければ幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございました!